不動産の評価はどのような方法を使って物件の価格が決まるのでしょうか?

今日は不動産の評価方法についてすでに知っておられる方もいるでしょうが記載してみたいと思います。

不動産の価格を求める方法は複数あります。
1、積算価格
2、収益還元価格
3、取引事例比較法

①積算価格について
積算価格は「土地の価格」と「建物の価格」をそれぞれ計算して足したものになります。

銀行から融資を受けるときに、その物件にどのくらいの担保価値があるかを知る目安になります。
土地の価格は、「路線価」×「土地面積」で算出します。
実際の方法では路線価÷0.8を土地の価格として計算しています。それが実勢価格になることが多いからです。
しかしながら郊外に行けば行くほど路線価と実勢価格が近くなります。
その裂離があればあるほど高いエリア、高級なエリアとなります。

路線価とは、宅地に接した道路に定められた評価額です。
毎年8月頃に国税局や税務署などで公表されます。
主に相続税の額を決める時に計算方法として使います。

建物の価格は、再調達価格×延床面積×(法定耐用年数-築年数)÷法定耐用年数で算出します。
再調達価格は、その物件と同じものを新しく手に入れるために必要な金額です。物件の規模や建材の種類、構造によって変動します。

  • 木造=22年
  • 重量鉄骨造=34年
  • RC造=47年

こうして計算した土地の価格と建物の価格を足し合わせれば、積算価格が導き出されます。

再調達価格は、建物を新たに新築した場合の価格のことです。
構造によって、新築時の単価は決められています。

  • 鉄筋コンクリート(RC)・・20万円/㎡
  • 重量鉄骨・・・・・・・・・18万円/㎡
  • 軽量鉄骨・・・・・・・・・15万円/㎡
  • 木造・・・・・・・・・・・・15万円/㎡

また、宅建の問題にも出ますがそのエリアで売却に出した物件の価格が自然に購入申し込みが入る価格のことを通常価格と言います。

例を出してみましょう
千代田区1棟ビル
秋葉原駅6分
1988年3月(築33年)
所有権
土地  36.35㎡ 公簿
建物 119.00㎡ 4階建、鉄骨造
商業地域
80/500
前面道路 5.2m公道

土地
路線価82万円×36.35㎡=29807000円÷0.8→3726万円

建物
再調達価格×床面積×償却率
18万円×119=2142万円(建物価格)
2142×0.03=63万円

土地+建物=積算価格
3726万円+63万円=3789万円

2、収益還元価格
収益還元価格は年間賃貸収益を相場の利回り、いわゆるキャップレートで割ると求めることができます。
多くの初心者投資家が陥りやすい罠として、利回りが高ければ高い方が儲かる、といった考え方があります。
しかしこれは正しいとは言えません。
郊外に行けば行くほど利回りは上がります。例えば20~30%。
都心部は3~4%でも取引されます。
利回りが高い=リスクが高い
利回りが低い=リスクが低いということです。

物件種類によりますがこちらの物件は一棟ビルですので事業用不動産となります。
築年、床面積、駅徒歩分、建物構造等調べますと賃貸収益は月額50万円程度です。

計算式
年間収益÷相場利回り=物件価格
千代田区のこの付近のグロス利回りは4%程度で売りに出されています。
実際の成約は4%中盤程度~5%程度かと考えられます。
6%だと割安
600万円÷5%=12000万円
現在売りに出されている価格より安いのは収益物件の場合満室であると高く売れ、空室であれば安くなります。

この物件は現在空室であるため相場よりは安く評価されると考えられます。

③取引事例比較法
この物件の近隣で取引された物件と似た条件のものを過去の成約事例や現在売りに出されている物件と比較して、価格を割り出します。

そちらで計算してみますと1億円程度の価格になります。

積算価格は都心部ですと実際の売り出し価格や収益還元価格と裂離していることが多いのでその場合間をとる、相場価格に合わせることが必要になってきます。

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