稲盛和夫氏の訃報
私も稲盛和夫様の「生き方」を繰り返し読み本棚に入れております。
以下致知からの引用になりますがいくつかご紹介させて頂きます。
やはり人間は私も含め欲に駆られている生き物です。
常に自身を振り返りながら仕事を行って行きたいと思います。
人生の方程式
仕事、人生の結果は
能力×熱意×考え方で決まると言われていますが、その通りだと思います。
能力、熱意が高くても考え方が悪ければ答えがゼロになってしまうという教え。
いい考え方を持ちましょうとの教訓
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稲盛)
私は、死とは肉体の死ではあっても、
魂の死ではないと思っています。
私の死というのは、
私の魂が新しい旅立ちをしていく
めでたい日だと思うのです。
死は悲しいことではなくて、
魂が新しい旅立ちをしていく嬉しい日なのです。
魂の新しい旅立ちに際して、
私の魂に新しい装いをつけ、
そして明るくあの世へ旅立っていく。
そういうものにするために
魂を美しく磨く必要があるのだと思った瞬間、
私は、これこそが人生を
生きる意味なのではないかと悟りました。
会社を成功させて有名になったり、
お金持ちになったり、
そんなことのために人生があるのではない。
人生を生きる意味とは、
まさに自分の魂を磨くことにある。
死ぬ時に、生まれた時に持ってきた魂より
少しでも美しい魂にして、
新しい魂の旅立ちを迎えるためにある。
このことが人生を生きてきた価値なのではないか、
また目的ではないのかと気がついたのです。
この美しい魂にするとは、
分かりやすく言えば、
善き思いを心に抱き、善きことを
実行していくことになります。
魂を磨くためには、毎日毎日、
そうありたいと思って自分が謙虚に反省し、
自分自身を変えていく努力をしなければいけません。
知識として知っていただけでは、
決して魂は磨けません。
美しい思いやりに満ちた
素晴らしい魂にしていこうと思えば、
毎日毎日、自分にそう言い聞かせながら、
「きょうの自分の思い、きょうの自分の行動は、果たしておまえが言う善きことに基づいていたか」
と自分自身に問い詰めながら、
自分の思いと行動を毎日のように
修正をしていかなくては
いけないのではないかと思うのです。
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京セラやKDDIを創業し、
大企業に育て上げるだけでなく、
経営破綻したJALを僅か2年8か月で再上場へと導くなど
数々の偉業を成し遂げた稲盛氏は、
月刊『致知』の応援者のお一人でもありました。
追悼の思いを込めて、
稲盛氏が2006年10月号にお寄せいただいた
連載「巻頭の言葉」の一部をご紹介します。
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(稲盛)
素晴らしい人生を送るためには、
「心に抱く思いによって人生が決まる」という
「真理」に気づくことが大切です。
19世紀後半に活躍したアメリカの啓蒙思想家、
ラルフ・W・トラインは、
「あなたが抱く、どの考えも力となって出ていき、
どの考えも同じ考えを引き連れて戻ってくる」
と説いています。
心に善き思いを持ったとき、
それは善き力となって出ていき、善き結果を連れて戻ってくる、
一方邪悪な思いを抱けば、それは邪悪な力となって発現し、
悪しき結果を引き連れて帰ってくるというのです。
そうだとすれば、私たちが心に抱く「思い」が、
どのようなものであるかが問われてきます。
幸福で満ち足りた人生を望むならば、
善き思いをベースとして生きなければならないはずです。
なぜ善き思いを抱けば、
善き結果を得ることができるのでしょうか。
それは、この宇宙が、善き思いに満ちているからです。
宇宙を満たす善き思いとは、
生きとし生けるものすべてを生かそうとする、
優しい思いやりにあふれた思いです。
私たちが、この優しい思いやりに満ちた思いを抱けば、
愛に満ちた宇宙の意志と同調し、
必ず同じものが返ってくるのです。
「与えよ、さらば与えられん」、
あるいは「情けは人のためならず」と
、愛が持つ偉大な力が古今東西で説かれているように、
あなたが差し出した愛は、
必ずあなたに返ってきて、
あなた自身を幸福にしてくれるのです。
(中略)
「そんな思いやりに満ちた心などといっていては、
厳しいこの社会をわたっていけるのか」と、
疑問に思われることもあるでしょう。
そうではありません。
善き心こそが、強大なパワーを持っているのです。
このことを、私は第二電電(現KDDI)の
経営を通じて実感しました。
第二電電を立ち上げたとき、
京セラのような中堅企業が国家事業に名乗りを上げ、
NTTに立ち向かうのは、
まるでドン・キホーテのようだと揶揄されました。
その後、国鉄を母体とする日本テレコム、
また建設省、道路公団を中心とする
日本高速通信が新規参入しましたが、
いずれも官業を母体とし、
鉄道網や高速道路網という、
全国にまたがるインフラを持っていました。
一方、第二電電は、情報化社会の到来に向け、
国民のため通信料金を下げたいという純粋な思いのみで、
徒手空拳参入し、彼我の差は歴然としていました。
しかし、第二電電はその設立の趣旨に共鳴した社員が、
ネットワーク幹線の構築や顧客獲得などで
涙ぐましい努力を重ねてくれたのです。
また、そんな社員の懸命な姿は、
代理店やお客様など社外の多くの方々の
共感を呼び起こしました。
このことがあればこそ、第二電電は今日もKDDIとして、
隆々と成長発展を重ねているのです。
経営資源に恵まれ、
成功すると思われていた企業が消え去るなかで、
ただ「世のため人のため」という純粋な思いを
経営資源とした第二電電が成長発展を重ねた。
このことは、人間や集団を成長へと導いてくれる
要諦を示しています。
それは、純粋で気高い思いには、
素晴らしいパワーが秘められているということです。
(『致知』2006年10月号「巻頭の言葉」より)
合掌
https://www.chichi.co.jp/web/『致知』
稲盛和夫が即答した「人生で一番大事なもの」→こちらも素晴らしい記事ですのでお時間あればご参照ください